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新刊紹介 「トヨタ生産方式の逆襲」鈴村尚久著

2015/02/06

文藝春秋は鈴村尚久著「トヨタ生産方式の逆襲」を発刊した。本体750円(税別)。

著者の鈴村尚久氏はトヨタ自動車で購買や生産調査部などを経て、現在はコンサルタントして活躍。カンバン方式の生みの親・大野耐一氏の右腕だった父・故喜久男氏の薫陶を受け、親子2代でトヨタ生産方式(TPS)の伝道者となった著者が秘中のメソッドを初公開した。

鈴村氏はこれまでメディアでの露出は避け、コンサルタント=黒衣として、表に出ることは一切なかった。その信念を曲げたのは、TPSの導入企業が本質を理解していないことからまったく成果が出ない事例が多いからだという。

要因のひとつを鈴村氏は「在庫を持たないかんばん方式」を指摘する。在庫をもたないことで販売機会の損失をすることは本末転倒、「売れるものは適切な在庫を持てばいい」という考えだ。売れた商品はレスポンスよく補充、過剰在庫に陥らず顧客が求めるタイミングに合致すれば、競合社との価格競争力を上回ることができ、値引きをせずに売ることが可能となる。

製造業、物流業、サービス業にも対応可能となるが、同書はTPS導入のためのハウツー本ではない。紹介事例を吟味し、自社に最適解への考え方を咀嚼していくための哲学書となる。

●もくじ
第1章 「常識」を疑い、パラダイムを変えよ
第2章 「タイミング」を売れ!
第3章 顧客ニーズと生産体制のマッチ
第4章 「サラダ理論」で需要予測とオサラバしよう!
第5章 ホワイトカラーという「魔物」
第6章 下請けを巻き込んで効率的なモノ造り
第7章 短納期こそ最大の顧客満足

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