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日本物流団体連合会、第15回物流環境大賞の受賞者を決定

2014/05/29

(一社)日本物流団体連合会は、平成26年5月12日、物流環境大賞選考委員会を開催し、第15 回「物流環境大賞」の受賞者を決定したことを発表した。

今回については、物流環境大賞1件をはじめ、合計5件について表彰する。

なお、表彰式は平成26年6月23日、第一ホテル東京にて開催される第25回通常総会の席上において行われる。

<第15回表彰受賞者の概要>
1.物流環境大賞(1件)
被表彰者:ヤマト運輸(株)
功績事項:自然エネルギーを利用したターミナル施設「羽田クロノゲート」の建設を含む環境保護活動
ヤマトグループは、社員一人ひとりが取り組む環境保護活動を「ネコロジー」と総称している。ヤマト運輸(株)はその活動に「施設」の面からも取り組み、大型物流ターミナル「羽田クロノゲート」の建設に伴い、様々な環境施策を取り入れた。施設の設計段階から風、太陽光などの自然エネルギーを活用した空調や照明を取り入れ、太陽光発電設備を設置することで、既存の施設と比べ約46%のCO2削減を可能とした。敷地内の地域貢献エリアでは、自然環境と調和し様々な生態系を育む「和の里」も設けている。現在、物流ターミナルの見学コースに月間約2,500人を受け入れており、物流における環境対策などについても広く理解してもらう取り組みを進めている。

2.物流環境負荷軽減技術開発賞(2件)
被表彰者:(株)豊田自動織機
功績事項:DPFレス産業用クリーンディーゼルエンジン「トヨタ1KD」の開発
ディーゼルエンジンはガソリンエンジンに比べ、熱効率が良いため燃料消費量が少なく、CO2排出量を抑制できるという利点がある一方、PMやNOxの排出量が多いという欠点がある。PM排出規制に対応させるため一般的にDPFが用いられるが、捕集したPMを燃焼する必要があり、燃費が悪化してしまう。(株)豊田自動織機はこれらの問題を解決するため、NOxの排出を抑えながら、DPFを使用せず、本体の燃焼改善のみでPMの発生を抑制するエンジンを開発した。このエンジンは、従来型と比べPMの排出量を約90%抑制し、日米欧の最新の環境基準をクリアするとともに、燃費を約23%向上させることで、排ガス対策と燃費改善を両立させた。

被表彰者:神鋼物流(株)
功績事項:機関車アイドリングストップシステムの開発
神鋼物流(株)は、(株)神戸製鋼所加古川製鉄所の構内鉄道輸送を行っているが、機関車のエンジンが常に運転状態になっていて、停止させることなく運用されていることに着目し、機関車アイドリングストップシステムを開発した。開発に当たっては、エンジンの再始動に失敗し作業に遅れをきたすと工場操業への影響が大きいため、再始動の信頼性に重点を置いたシステムとした。このシステムの導入により、年間約1,100トンのCO2排出量削減を可能とし、併せて燃料費約2,500万円(年間)のコストダウンに成功した。

3.物流環境特別賞(2件)
被表彰者:日本通運(株)
功績事項:使い捨てから再生へ~航空貨物コンテナ作業用ボールデッキステージの部品の再利用による資源の有効活用~
日本通運(株)は、羽田空港支店国内貨物中継課における作業の効率化のため、ボールデッキステージを導入している。ボールデッキステージには1万3,000個のボールが使用されているが、劣化のため年間約1,200個を廃棄し、新品と交換する必要があった。この無駄に着目し、使い捨てではなく再生可能なボールをメーカーと共同で開発した。この取り組みにより、2年に1度のメンテナンスを行えば長期間利用し続けることが可能となり、資源の有効活用とコスト削減、廃棄物の減少を実現した。

被表彰者:日通商事(株)
功績事項:40フィートウイング型国際海上コンテナによる物流効率化と環境にやさしい輸送システムの提案
トラック輸送ではウイングボディを利用したサイド荷役が普及しているが、国際海上輸送については海上コンテナの構造上、妻側荷役をせざるを得ず、荷役効率や梱包面で運用上の課題があった。日通商事(株)は、これらの課題を解決するため、サイド荷役が可能なウイング型国際海上コンテナを開発した。これは、ISO等の国際基準に準拠しており、通常の海上コンテナ同様の運用が可能である他、ウイングの開閉動作には、特別な外部電源を必要とせず、市販のハンドドリルを用いれば足りる。このコンテナにより、国際コンテナ輸送の効率化が期待されるほか、国内海上輸送への活用が可能となれば、モーダルシフトの進展も期待される。

※今年度は物流環境保全活動賞、物流環境啓蒙賞については該当なし。

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