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キトー、増収増益確保、システム導入で生産が停滞

2018/05/29

(株)キトーは5月28日、2018年3月期決算説明会を開催した。同社はクレーン、チェーン巻上機、スリング、吊り具等を提供し、主に天然資源や環境エネルギー、建設・土木、造船、航空、製造業、運輸等幅広い分野を顧客基盤に持つ。

5月15日に発表された決算短信によれば、同社の2018年3月期決算は売上高が前年比7.9%増の551億6,800万円、営業利益は同11.6%増の46億9,800万円、経常利益は同16.7%増の37億9,100万円、当期純利益は同49.4%増の28億3,600万円となった。

昨年夏頃から米国をはじめ世界的に市況が徐々に回復、落ち込んでいた中国市場も底打ちし、グローバル全体で増収基調に転じた。一方、昨年7月に基幹システムを35年ぶりに全面リプレイス(ERPシステム初導入)した結果、第2四半期以降にシステム切り替えに伴う様々なトラブルや生産の混乱等により一時的に生産活動が停滞。

システムの安定化と通常ペースの出荷回復を取り組み、国内は次第に回復したが、出荷のための一時的な費用が発生した。特にリードタイムのかかる海外向けでは本来なら船積みで送るべきところを顧客の需要に応えるために緊急の航空便による出荷を実施する等、生産・出荷関連の一時費用が膨らみ、第4四半期の営業利益率が前年同期比で悪化した。

鬼頭芳雄社長は、「システムの影響はあくまで一時的なもの。これがなければ、トップラインも営業利益ももっと上回ることができたと思う」と悔しさをにじませた。

今期はシステム導入に伴う一連の対応が第1四半期までにはほぼ収束し、グローバルの堅調な需要を着実に取り込む見通し。これにより売上高は前年比5.1%増の580億円、営業利益は同17.1%増の55億円、経常利益は同34.5%増の51億円、当期純利益は同23.4%増の35億円を計画している。

●左から鬼頭芳雄社長、遅澤茂樹常務執行役員財務管理本部長

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