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ZMP、完全自動走行タクシーの公道実験の進捗公開

2017/08/30

(株)ZMPは8月25日、完全自動走行タクシーについて技術開発の進捗状況を動画で公開した。同社では2020年東京五輪でのサービス提供を目指して東京お台場で公道実験を行っている。

今回の実験はドライバーが乗ったレベル3の実験となるが、警察庁より発表の指針に沿った車内にドライバーのいない自動運転車の公道実験に向けた重要なステップと位置付けており、2018-2019 年には実証エリアを広げ、2020年のサービス開始を目指し、引き続き技術開発を進めていく。

同社は 2014年から愛知県名古屋市において公道での自動運転の実証実験を開始。2016年2 月には、神奈川県藤沢市湘南ライフタウンで実施された公道での自動運転体験サービス実証実験において自動運転技術を担当した。その後、同社オフィスのある文京区で、道路幅も狭く路上駐車や交通量も多い典型的な都市部環境での公道実験を経て、お台場での公道実験を重ねてきた。

2020年東京オリンピックの開催地域でもあり交通量も多いお台場エリアの交通環境では、レーンチェンジや交差点右左折などの機能を開発、検証を行ってきた。今回はさらなる開発として、特に以下の改善・追加した機能の検証を目的として公道実験を実施している。

(1)マルチセンサのセンサフュージョンによるロバスト性の向上
よりロバスト性の高い自己位置推定のために、複数センサによるセンサフュージョンの開発を進めている。これまでのカメラによる白線認識に加えLiDARやステレオカメラとのセンサフュージョンにより、さらに安定した自己位置の推定が実現されている。

(2)工事現場などの交通状況への対応
刻々と変化する交通状況への対応として、工事により片側レーンが閉鎖されガードレールで反対車線へ誘導された環境で自動運転ができるよう改善した。ルート情報の修正と前述のカメラ・3D-LiDARのセンサフュージョンにより、複雑な道路環境でもドライバーが介入せず自動運転走行を実現している。

(3)よりスムーズなドライビングへの改善
熟練ドライバーの運転パターンを収集し制御アルゴリズムへ取り込むことで、よりスムーズなレーンチェンジなどの制御が行えるよう改良を加えている。

なお、これらの自動運転は、同社が開発した自動運転開発プラットフォームの製品であるRoboCar MiniVan、およびIZACによって実現されている。

●動画サイト
今回実験の様子

(上)お台場の工事エリア、(下)工事現場の回避イメージ

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