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JR西日本・富士通、乗務員の睡眠改善サポートをシステム化

2017/04/21

西日本旅客鉄道(株)(JR西日本)と富士通(株)は4月19日、乗務員の睡眠改善をサポートするシステムを開発・実証したと発表した。システムで睡眠状態の記録・可視化や個人に合った睡眠改善のアドバイスを行うものだ。

鉄道の安全確保には、乗務員の乗務の質の向上が重要であり、そのファクターの1つとして、睡眠改善の取り組みがある。JR西日本では、睡眠に関する教育の充実、環境整備などを中心とした乗務員の睡眠に対する意識の向上や改善の取り組みを実施している。さらなる取り組みとして、2014年度からJR西日本と富士通で、より簡便で効果の高い睡眠改善を実現させるツールの導入に向けた検討を進めている。

 睡眠改善を実施するためには、睡眠時間や睡眠状態の効率的な記録や、一人ひとりに合った効果的なサポートが求められる。そこで今回開発したシステムでは、センサーを使って自動計測したデータから睡眠状態を可視化・分析し、睡眠改善のアドバイスを行う。

▼睡眠状態の可視化
就寝時に装着したセンサーにて計測した睡眠に関するデータを、専用の端末(NFCリーダ)を接続したパソコンで読み取る。計測したデータを体動量データに変換し、その体動量データを分析して、就床、入眠、睡眠、覚醒、起床といった睡眠状態を表すことができる。

▼睡眠改善のアドバイス
専門家監修による分析アルゴリズムを用いて、計測したデータを分析し、一人ひとりに合った睡眠の質を改善するためのアドバイスを行うことができる。

JR西日本では、2017年度中に乗務員が所属するすべての職場63か所への導入展開を行うと共に、今後も引き続き、睡眠改善の取り組みを着実に進めることで、乗務の質の向上を図り、さらなる安全安定輸送の実現に取り組んでいく。富士通は、JR西日本での実証実験の結果を活用して、2017年中にシステムの製品化を目指す。

●システムの概要

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