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羽田空港に17社のロボットが集結、移動支援等を実験

2016/12/15

羽田空港を管理・運営する日本空港ビルデング(株)は12月14日、「Haneda Robotics Lab(ハネダ ロボティクス ラボ)」を設置し、ロボットの技術検証を目的に羽田空港でロボット製品の実験導入を行う「羽田空港ロボット実験プロジェクト2016」の第1期採択事業者17社を発表した。

各ロボットの実証実験は、空港という不特定多数の利用者が行き交う公共空間での実運用を想定し、(1)ロボット(製品)自体の安全性、(2)公共空間での稼動についての安全性、(3)導入効果の検証…の3つのフェーズを想定している。

使用用途しては清掃、移動支援、案内の3つのカテゴリーを設けた。このうち移動支援カテゴリーのロボットに採択されたCarriRo(キャリロ)は(株)ZMPが提供するもので、作業員の負荷を軽減するドライブモード、作業員を自動で追尾するカルガモモードを搭載した台車型物流支援ロボットだ。まずは空港従業員の業務活用として、物販店舗への商品搬入作業や、その他業務への用途価値検証を行う。また、将来的に空港利用者のお荷物の搬送補助などへの活用も視野に入れた初期の検証を行う。

同様の用途のロボットには(株)匠の自律型搬送ロボット「TUG」がある。TUGは高度なセンシング技術を駆使した高い機動性と安全性を兼ね備えており、広いフロアを自由に行き来できる。TUGには2種類のタイプがあり、ボックスタイプは指紋認証や ID・パスワード認証で扉の開閉を制限できるため、現在は米国の病院などで薬品や検体の搬送に利用されており、リフタタイプは給食、リネン、廃棄物搬送に利用されている。今回の実証実験では、
キャリロと同じく物販店舗への商品搬入作業や、その他業務への用途価値検証、空港利用者の荷物の搬送補助などへの活用も視野に入れた初期の検証を行う。

日本における労働生産人口の減少が 予想される中、様々な業務課題を解決していくためにはロボット技術の活用が不可欠であるとの考えから、日本空港ビルデングでは、これまでも各種ロボットの導入や実証実験を推進してきた。

今回、社会のあらゆる場面においてロボットテクノロジーが実装されるためには、事業 者や研究機関がより生活者に近いリアルな環境でユーザーテストを積み重ね、技術を磨き上げていくことが重要と判断した。プロジェクトを通じて年間7,500万人以上が利用する羽田空港で、ロボットの技術面・法規面での課題を洗い出す。その知見が共有することで、日本社会におけるロボットテクノロジーの普及に寄与するという考えだ。

 
実証実験概要 
実施期間(予定):2016年12月15日(木)~2017年2月13日(月) 
        ※実施時間帯は基本的に10:00~16:30
実証実験場所:羽田空港国内線第2旅客ターミナル 出発ロビー(南側)


CarriRo(左)とTUG(右)

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