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日産、自動運転による完成車無人搬送システムを導入

2016/12/05

日産自動車(株)は12月5日、完成車を専用埠頭まで無人牽引車で搬送するシステム「Intelligent Vehicle Towing」を同社の追浜工場に導入したと発表した。

同社は「ニッサン・インテリジェント・モビリティ」構想のもと、人とクルマ、そして社会との関係をよりワクワクするものに変えていくべく、様々な取り組みを行っており、今回の取り組みは地図や通信等の技術を活用し、電動化・知能化されたクルマとインフラをつなぐことにより新たな価値を創造するもので「ニッサン・インテリジェント・インテグレーション」の実現に向けたアプローチ。

同システムは、自動運転機能を備えた電気自動車「日産リーフ」ベースの牽引車と台車で構成されており、一度に最大3台の完成車を無人で搬送できる。

これまで完成車は、組立工場から専用埠頭まで専門のドライバーが完成車を1台ずつ運転して搬送していたが、将来の日本における労働人口減少の対策の1つとして、日産では搬送業務の合理化に向けた方策の検討を進めてきた。今回の追浜工場における試験運用は、その取り組みの一つで、1年前から開始している。

従来から部品搬送に使用している無人搬送台車は、磁気テープやレールを辿って走行するが、今回のシステムは、こうしたインフラを敷設する必要が無く、生産工程や物流動線の変更に柔軟に対応しながら経路設定が可能。牽引車には複数のカメラとレーザースキャナーを搭載し、そこから得た白線、路肩、障害物などの情報と地図データを組み合わせ、自車位置を正確に把握、目的地までのルートを工場内の制限速度で自動走行する。

先行車両や人に接近した場合には自動で停止し、一定以上の距離が確保されたと判断すると自ら再発進する。それぞれの牽引車の位置、車速、作動状況やバッテリ残量は管制センターでモニタリングする。牽引車同士の進行ルートが交差する際は、管制センターで優先順位を決定するほか、緊急時にはシステムを遠隔で停止させることも可能。

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