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JUIDA、宇宙飛行士養成ノウハウをドローン運航管理に導入へ

2016/12/01

(一社)日本UAS産業振興協議会(JUIDA)と有人宇宙システム(株)(JAMSS)は11月29日、無人航空機(ドローン)産業の健全な発展を図るために、相互の技術を活かした協力体制構築に合意した。

JUIDAでは、ドローンの安全な飛行を徹底させいくため、安全ガイドラインの策定、安全委員会活動に加えて、昨年9月に人材教育事業としてJUIDA認定スクール制度を導入した。同スクールでは、JUIDAが提供するカリキュラム、テキストに基づく座学と技能講習を行い、修了者はJUIDAの操縦技能証明および安全運航管理者証明を取得することができる。

JUIDAの安全運航管理者は、安全な飛行のためのガイドライン、事故などのリスク対応に関する知識を習得できる世界的にも例のない制度。現在40校超のスクールが全国で開校・運営されている。ドローンを安全に操縦するための資格「操縦技能証明」及びドローンの安全な運航管理を実現するための資格「安全運航管理者証明」の2つの資格を取得した生徒数は延べ600名にのぼる。

一方、JUIDAはなお一層の安全なドローン運用を実現させるべく、今回、JAMSSと業務提携を行った。長年JAMSSが宇宙飛行士養成で蓄積したトレーニングに係るノウハウや知見を、JUIDA認定スクールのトレーニングプログラムに反映してトレーニングの効果向上を目指す。例えば宇宙飛行士訓練に係る非常に多岐にわたる学習の体系的な訓練カリキュラムの構築手法は、認定スクールのトレーナーが教えるドローンの操縦方法に加え、航空法などの法律、保険に関する知識、また、今後より一層の安全を実現するために必要となるトラブル対応やチーム連携による運航といった技術訓練など、非常に多くの応用的な訓練カリキュラム構築に役立つ。

ドローンの安全運航管理者教育のさらなる効果向上に、JAMSSが米国NASAから伝承し、実績を持つトレーナー育成技術は欠かせない要素だ。JUIDAでは、これらのJAMSSのノウハウ・知見を得て、より一層安全かつ高度な教育体制を確立していく。加えてJAMSS が国際宇宙ステーション日本実験棟「きぼう」の安全・開発保証業務、運用・利用業務という国際プロジェクトで培ってきた安全評価技術や国際共同運用の経験を、 ドローンのISO 構築(国際標準化)や機体の安全性評価など、ドローンの様々な応用の展開に役立てる。

●相互協力によって生まれるメリット
有人宇宙技術とドローン運航技術には以下の例のように多くの共通する要素
・安全な運用のためのコミュニケーション力
・危険回避のための状況判断力
・冷静なトラブル対応力
・ヒューマンエラー削減
・運航システムを介したチーム連携

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