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奥村組、立体自動倉庫のラック制震技術を開発

2016/07/14

(株)奥村組は、物流施設や工場などの震災時における事業継続性の向上を目的として、高層ラックを有する立体自動倉庫のラック制震技術を開発した(特許出願済)。

倉庫内を高さ方向に有効利用するため高層ラックを設置し、自動搬送機による荷物の入出庫等をコンピュータ制御で行う立体自動倉庫では、震災時にラック積荷が落下して多量の荷物が破損する、荷物が自動搬送機の走路を塞いだことで搬送機能が損なわれるなど、復旧に多大な時間と労力を要する可能性がある。事業継続の観点からは、ラックの荷崩れ防止対策を講じる必要性が高まっていた。

今回開発された新技術は、自動搬送機の走路を挟んで向かい合うラックを2列1組として、その頂部を横断方向に治具で固定して一体化し、一方のラック脚部に制震ユニット(転がり支承・減衰装置)を取り付けることで、ラックの長周期化とともに減衰機能を付加し、地震時の揺れを低減する。

巨大地震を想定した振動実験では、ラック積荷の重量や配置などを考慮したさまざまな条件で安定した制震効果を発揮し、非適用に比べてラックの揺れを最大約4分の1に低減できた。 
同技術は一般のラック倉庫にも適用でき、新設に限らず既存ラックにも対応可能なことから、今後は、荷物の保全や倉庫機能の維持など事業継続に対するニーズに応える有効なソリューション技術として積極展開していく。

●ラック制震技術の概要(上)、振動実験の状況(下)

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