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楽天、ドローン配送サービスを千葉県のゴルフ場で開始

2016/04/26

楽天(株)は4月25日、ドローンを活用した一般消費者向けの配送サービス「そら楽(そららく)」を5月9日から開始すると発表した。

第1弾として、ゴルフ場コース内でプレイヤーがスマートフォンの専用アプリ(Android版)を使って、ゴルフ用品や軽食、飲み物などを注文すると、ドローンがコース内の受取所まで商品を届けるサービスを提供する。アプリでは、注文可能な総量を注文画面で確認できるほか、商品発送準備開始時とドローンの飛行開始時には、プッシュ通知を受け取ることができる。

運営者側では、アプリを通じて注文を受けると、専用デポに待機するスタッフが商品を配送用ボックスに梱包し、ドローンの機体に取り付ける。スタッフが専用タブレットの管理画面で発送開始の操作をすると、ドローンは自律飛行で受取所まで飛行し、着陸してから荷物を自動投下(リリース)した後、離陸ポイントに自動で戻る。

サービス開始時の商品数は約100点を予定しており、100円(税込)以上の買い物であれば利用可能。最大積載量は約2キロだが、風速に応じて積載可能総量が変わる。利用料・送料は当面無料。サービスの利用時には楽天会員IDでのログインが必要となり、決済時にはクレジットカードまたは楽天スーパーポイントが選択可能。

今回使用するドローンは、今年3月に同社が出資した(株)自律制御システム研究所(ACSL)が開発した機体を専用ドローン「天空(てんくう)」として、楽天とACSLが共同で改良・開発をしている。新たに荷物のリリース機能を搭載するとともに、着陸には楽天技術研究所の画像認識技術を活用している。「天空」の機体には、ACSLによる独自開発の国産オートパイロット(AP)が搭載しており、強風時でも高い飛行安定性能を発揮する。また、ゴルフ場でも視認性が高く、ユーザーがより身近に感じられるデザインを採用した。

まず、千葉県御宿町のゴルフ場「キャメルゴルフリゾート」で約1か月間にわたってサービスを提供し、利用者の声や運用状況などを分析した上で、今後のサービス継続・拡大や他のゴルフ場でのサービス展開について検討していく。

将来的には、過疎地や山岳地帯での配送、災害時の救援物資の運搬、「楽天市場」をはじめとするeコマース事業でもドローンを活用することを視野に入れており、今回の配送サービスの実用化により、技術とオペレーションノウハウを蓄積し、さらなる革新的なドローン配送サービスの展開を目指す。

●専用ドローン「天空」(CGイメージ)

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