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国交省、ドライバー異常時対応システムの指針策定

2016/04/01

国土交通省は3月31日、ドライバーが急病等により運転の継続が困難になった場合に自動車を自動で停止させる「ドライバー異常時対応システム」のガイドラインを世界に先駆けて策定した。

近年、ドライバーの健康状態が急変し、運転の継続が困難な状況に陥ってしまう事故が複数発生していることを受け、同省自動車局は、産学官が連携した先進安全自動車(ASV※)推進検討会で平成23年度から「ドライバー異常時対応システム」の技術的な要件などを検討していた。このガイドラインがまとまったことで、「当該システムを搭載したバス等の早期導入が期待される」としている。

ガイドラインは、二輪車を除くすべての自動車を対象としている。異常検知の方法について、(1)システムによる「異常自動検知型」や(2)「ドライバー押しボタン型」、(3)「同乗者押しボタン型」の3タイプに分類。異常を検知すると、後続車の追突や立ち席の乗客に考慮しながら減速を行う。検知方法の(1)は誤作動が、(3)は悪戯などが懸念されることから、減速開始前に運転者に一定時間警報を出すことを求めた。

また、急な減速などに備えるため、同乗者、特に立ち席の乗客に対して、ドライバーに異常が起きているため減速をかけることを音や表示などで注意喚起する。付近を走行する他の車両や歩行者などに対しては、自車に異常が起きていることを警報音で報知し、後続車にはハザードランプの点滅により減速をかけることを報知するとしている。

(※)ASV=Advanced Safety Vehicleの略で、先進技術を利用してドライバーの安全運転を支援するシステムを搭載した自動車のこと

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