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DHL、物流に変革もたらすロボットに関する報告書を発表

2016/03/24

ドイツポストDHLグループ(DPDHLグループ)は3月24日、物流現場においてロボットが必要不可欠な存在となる“次なる段階へ進もうとしている”ことを示す最新版の動向調査報告書「物流におけるロボティクス」を発表。協働ロボットが今後のサプライチェーンへもたらす影響について明らかにした。

同報告書は、高度なロボット分野の第一線で活躍する研究者や専門家から得られた知見や最新情報を集約し、DHLが物流業界に関連する動向や技術を特定して活用することを目的として発行したもので「ロジスティクス・トレンド・レーダー」の一環として作成されており、www.dhl.com/robots から無料でダウンロード (英語版のみ)可能だ。

報告書では、見る、動く、周囲の状況に反応する等の機能を備え、人間とともに精密作業を担うことのできる次世代ロボットの開発が急速に進んでいる背景には、人手を要するEコマースの急拡大や労働人口の減少および高齢化に起因する、と指摘している。

昨今、世界各国で政府や個人投資家、大手小売企業の投資によって新たな研究開発の波が出現しており、物流現場を支えるロボットの開発にも大きな影響を与えている。米国、中国、ロシア、日本に加え、欧州委員会がSPARCプログラムを立ち上げ、2020年までにEUが7億ユーロ、また180社の欧州企業連合が21億ユーロをロボット技術研究に投資すると表明するなど、欧州各国もロボットの開発競争に名乗りを上げるという状況がある。

DPDHLグループでは、今後ロボットが物流において果たす役割について検証を開始し、ロボットを活用したサプライチェーン変革施策を探るため、一部の物流施設で協働ロボットの実証実験を進めている。前途有望な分野であるロボット開発は、今後、物流業界にも恩恵を授けることが期待されている。

これらの実証実験結果およびそこから得られた知見は、4月7日にドイツのDHLイノベーションセンターで、ロボット技術の専門家を集めて開催される、DPDHLグループ初のロボティクスデーにて発表される。このロボティクスデーでは「進化したロボットと人間がいかに協働可能か」を主なテーマとして、ロボット業界を牽引する主要企業による最先端技術の展示も予定している。

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