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化粧品の電子タグ活用で講演会、普及に向け指針等を解説

2015/07/16

(一財)日本粧業会は7月13日、「流通BMS及び電子タグ利用に関する講演会」を都内(港区虎ノ門)で開催した。日本化粧品工業連合会がまとめた「化粧品等の電子タグ利用ガイドライン」の紹介があったほか、(一財)流通システム開発センターから招いた講師が流通BMSの利用拡大や電子タグの最新動向について話した。

この電子タグ利用ガイドラインは、同連合会の流通委員会が第1版として初めてまとめたもの。講演会では、委員会の電子タグ部会長・古家浩人氏が、作成の過程で積み重ねた実験の模様を交えて解説した。

実験は、化粧品などを実際に入れた段ボールケースにタグを貼り、ハンディ式リーダーで読み取るなどした。パレットに実際に積付けて、貼付位置や貼付枚数について様々なパターンで試した結果、ガイドラインは、「指針1」としてパレット積付け時にいずれか1面が外を向くケース短側面上部2か所へ貼付することを指定。「指針2」として貼付位置は日用品・化粧品業界で標準化されたケース短側面上部右とした。この位置には商品コードや入り数が書いてある。

さらに「指針3」として電子タグの仕様に言及し、250mWハンディ式リーダーで75cm以上の設定距離を確保できるものとした。これは50リットルオリコンやT11パレットで使うことを想定している。

また、ガイドラインでは、電子タグの読み取りに障害を及ぼす金属や水分が、化粧品の容器に使われたりり、中身に含まれたりしていることを踏まえ、実験で得た最適な読み取り可能貼付位置を「推奨事項」として網羅的に示した。例えばチューブ容器では、中身がほぼ存在しないチューブ最上部に貼付すれば読み取り可能であるとした。

古家氏は、複数の商品を混載した場合の読み取りの検証などで課題が残っていることを指摘した上で、「日進月歩で新しいタグがたくさん出ている。情報を集めて課題を解決していきたい」と、今後の研究継続に意欲を示した。

そのほか、「流通BMSの最近動向と今後の方向性について」をテーマに講演した流通システム開発センター ソリューションサービス本部ソリューション第2部 新規事業グループの坂本真人氏は、流通BMSのよるデータ交換の相手先を金融機関や物流業者に広げる共同実証結果を説明した。アパレル・T&L業界グループの森谷麗子氏は、GTIN(JANコード)にシリアルナンバーを付加したEPC(Electronic Product Code)の活用事例について、同センターが昨年実施した欧州視察ツアーの成果を元に報告した。


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