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ユーピーアール、位置情報端末「なんつい」に湿度機能追加

2015/07/01

ユーピーアール(株)は6月30日、位置情報端末「なんつい」の新型機を今年12月から法人顧客向けの販売すると発表した。従来機で実現していた位置情報・温度情報のリアルタイム管理に湿度情報を追加したほか、共同開発のパートナー・KDDI(株)の通信網を使うことで、より広いエリアの位置情報を取得できるようにした。

新型「なんつい」は、従来機と同様に温湿度センサー付き端末を荷物などに取り付けることで、荷物の位置情報と温湿度情報をインターネット経由で把握できる。温度や湿度に異常があれば、管理者にアラートメールを自動発信するシステムになっている。位置情報機能で、どの地点で異常が発生したかも把握可能だ。

同日開かれた記者会見で最初に説明に立ったKDDIソリューション事業本部モバイルビジネス営業部営業2Gマネージャーの関淳氏は、主な用途として医薬品や食品の輸送を挙げ、「高い品質維持が求められる商品について徹底した品質管理で輸送事故を防ぎ、安定供給をサポートできる」と自信を示した。

続いて説明したユーピーアール物流IT営業本部東日本営業所所長の鈴木満弘氏は、湿度機能の追加について医薬品や食品関係の企業からの要望が開発のきっかけになっていることを紹介し、「より細かい情報が取れることで品質管理に役立つ」とした。また、国内でのレンタル目標1万台の次のステップとして、「医薬品に関してはグローバルな輸送も増えるので、KDDIと連携し海外でも使える端末を目指したい」と話した。

記者会見にはユーザー企業の代表としてDPネットワーク(株)も参加した。同社は医薬品輸配送専門の運送会社。常務取締役の名村強志氏は、夏場に気温が40度くらいになるとチルド帯の温度で医薬品を輸送するのが難しくなることに触れ、温度の異常をリアルタイムで知らせる機能の有用性を強調した。医薬品の品質に問題を起こすような温度異常があれば、それを使う患者に被害をおよぼしかねない。運転席の温度計でドライバーがチェックしていても気づかないこともあることから、リアルタイムで知らせる機能が重要だと強調した。

さらに、欧米で確立された医薬品の物流品質管理基準「GDP(Good Ditribution Practice)」が日本にも導入されようとしていることから、「トレーサビリティや温度異常に敏感になっているが、『なんつい』はGDPに対応するものとして導入拡大を検討したい」と述べた。

●「なんつい」の端末(コードの先端が温湿度センサー)

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