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光英システム、久世(食品卸)にクラウド型温度管理システムを提供

2014/08/07

輸配送システムソリューションを手がける光英システム(株)(本社:東京都新宿区)は、低温輸配送向けに、高品質・リアルタイム温度管理を安価に実現する「クラウド型温度管理システム」の提供を開始したと発表した。

食品・医薬品業界では、温度管理を始めとする商品のトレーサビリティが重視されているが、外部委託の傭車利用による輸送において、取付工事を要する温度管理ツールの設置は、導入コスト、取付による従属性強化の両面でその実現が困難だった。

同社は冷凍機メーカー等との技術協業により、冷凍機の温度コントローラーや荷室に設置する温度センサーと可搬型多機能車載端末「eMF-ONE」を活用したM2M(機械同士の自動通信)通信により、リアルタイムに温度管理を実現する「クラウド型温度管理システム」の実験をユーザー現場で完了した。

業務用食材卸の(株)久世では、今年5月から「クラウド型温度管理システム」の試験運用で良好な結果が得られたことから、8月より順次、東京・神奈川地区の配送車両100両による実運用を開始する。

久世は従来、ドライバーからの荷室温度情報を営業所経由にて顧客に電話連絡する方法でサービスの差別化を図ってきたが、同社の「クラウド型温度管理システム」を導入することで、リアルタイムの温度データM2M通信で、ドライバーの作業負荷軽減、温度管理精度の向上に加え、冷凍機の温度設定ミス回避も実現することができたという。

久世からは、「これまで管理の及ばなかった輸送中の商品の温度状況が把握可能となり、安全・安心に商品をお届けすることが出来るようになる」、「輸配送品質の大幅な向上と安全・効率的な車両運行が実現できる」、「車両を選ばずに総合的な温度管理ができる」と効果実感の評価を得ている。

文字・音声メッセージ通信、配送経路ナビゲーション、誤配送警告などの機能を有する「eMF-ONE」は、今般の温度管理機能を付加することで、さらなるリアルタイムM2Mデバイスとしての活動領域も広げることになるという。

宅配便の温度管理問題が大きく報道されたように、食の安全・安心の観点から食品低温輸送の管理は社会的に注目されているが、取付工事が無く、安価に管理が実現できる仕組みとして、今後の普及が期待されている。

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