日本電気(株)(NEC)は1月27日、ロボットによる倉庫内での搬送作業を、高い安全性を維持しながら従来比で効率を2倍向上させる制御技術を開発したと発表した。同技術を2023年度に実用化し、NECの協調搬送ロボット(※)に搭載する予定。
NECはセンサの測定誤差やシミュレーション結果と実際のロボットの動きの差等、ロボット制御における不確かな要素を表現できるモデルと、数理ファイナンスの手法を活用して、安全性リスクに応じてロボットを制御するリスクセンシティブ確率制御技術を開発した。
これにより、作業者や床上の物品などの障害物がなくリスクが低い場所では最短距離を高速走行し、リスクが高い場所では確実に回避できる経路を低速走行する等をロボットが自律的に判断し実行する。同技術を適用したロボットと従来のロボットで搬送作業を比較したところ、作業時間が半分となり、安全性を確保しながら搬送効率を2倍向上できることを確認した。また、ロボット専用エリアを整備しなくても安全性と効率性を実現できるため、既存倉庫への導入が容易としている。
※2021年12月17日発表:NEC、物流倉庫における入出荷作業の生産性向上に向け次世代型自動搬送ロボットを活用したソリューションを開発
●NECの協調搬送ロボットを活用したソリューション
●開発した搬送ロボットの制御技術の概要