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JPA、カゴ車の改良すべき3つのポイントを発表

2021/07/16

(一社)日本パレット協会(JPA)は7月16日、とても便利な人力運搬機としてカゴ車と呼ばれて多くの現場で利活用されているロールボックスパレットに関して、近年では労働災害が多数発生していることから、厚生労働省の指導の下、労働安全衛生総合研究所とJPA会員の協力により、ロールボックスパレットの改良すべき3つのポイントをまとめた。その3つのポイントを活かしたロールボックスパレット製品化の準備が整った点も報告した。

2019年度、安全な使用方法を前提に、より安全性が高いロールボックスパレットの構造(推奨モデル)の公開を目的として厚生労働省の指導の下、労働安全衛生総合研究所とJPA会員各社によるワーキンググループ(WG)を立ち上げ、同WGでは2020年度末に、ロールボックスパレットの「取扱い時の3つ危険」に対して、各々の「改良すべき3つのポイント」を以下の通り具体的に示した。

*取扱い時の危険・その1:手がぶつかる・はさまれる
 →改良1:専用持ち手をつける

*取扱い時の危険・その2:キャスターの逸走により転倒
 →改良2:旋回(自在)・固定の切替機構をつける

*取扱い時の危険・その3:バーが跳ね上がって体にぶつかる
 →改良3:サイドバー跳ね上がり防止具をつける

なお、今回の報告に至るまでの経緯として、まずロールボックスパレットに関する課題の存在が出発点となった。それはフォークリフトを操作して荷役する平パレットと違い、このパレットは積載面の下部に車輪がついているため、人力操作による荷役が可能で、このような扱いやすさから、経験が浅い作業者(1年未満)の不慣れな操作や熟練作業者の油断等に起因する労働災害の増加という課題だった。

次に労働安全衛生総合研究所では、このような課題に対して、「状況の放置は、やがて扱いやすいパレットに何らかの規制をかけざるを得なくなる」との予見に基づき、そのような事態を回避すべく、2015年度にロールボックスパレット起因の労働災害に関する調査研究を行い、同研究所により技術資料がまとめられた。そして、その成果を活かし「安全に作業するための8つのルール」というロールボックスパレット使用時の労働災害防止マニュアルが同研究所から発行され、使用時のより安全な作業について、関係者
の情報共有が徐々に図られるようになった。

●リーフレット
https://www.jniosh.johas.go.jp/publication/houkoku/houkoku_2021_02.html

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