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SICK、新しいデジタルソリューションを発表

2020/07/20

SICK AGは6月、2つのブランド「SICK AppSpace」と「SICK IntegrationSpace」を開発し、顧客が直接センサデータにアクセスし、ビジネスプロセスのために独自の付加価値を得ることができる新たなデジタルソリューションのポートフォリオを発表した。

同社は開発した豊富なデジタルソリューションポートフォリオをオンライン記者会見で紹介した。

生産およびロジスティクス産業の企業では、プロセスをデジタル化してインダストリー4.0のコンセプトを導入すべきかという問いはすでに過去のものとなり、どのパートナーとどのように新しいアプローチをスムーズに統合するかという問題に直面している。SICKが開発した新しいデジタルポートフォリオは、デジタル化での未解決の課題を克服するためのソリューションとなる。

今回のデジタルソリューションでは、センサからクラウドに至るまで、データのシンプルな垂直統合が可能。同ソリューションでは柔軟なデータ構造が使用されており、デジタルサービスおよび有能なアドバイスを通じて貴重な情報と知識が提供されるため、ユーザーはインダストリー4.0のアプローチで課題を最適に克服することができる。
  
エコシステム「SICK AppSpace」では、SensorAppを使用して、プラグラマブルセンサとエッジデバイスを新しいタスク用に設定することができる。すでに多くのアプリが「SICK AppPool」からダウンロード可能。従来は、「SICK AppStudio」で独自のSensorAppを作成するには基本的なプログラミングの知識が必要だったが、今回、「SICK AppStudio」内の新しいグラフィカルユーザインタフェースでは、特定のセンサアプリケーションをプログラミングの知識なしでも解決できるようになった。その際、ユーザーは事前定義されたファンクションブロックをデータフローとしてつなぎ合わせて設定することになる。そうすることで「SICK AppSpace」を使用できるユーザーグループの枠を広げ、現在または新しいセンサアプリケーションの稼働率を高めている。

特に迅速なソリューションが必要な時に「SICK AppSpace」は威力を発揮し、その機能ポートフォリオがメリットとなる。例えば、SICKは現在の世界情勢に対応し、Covid-19ウイルスの感染拡大を抑制する手段として、ハードウェアを新しいSensorAppと組み合わせたが、「SensorApp PeopleCounter」と「DistanceGuard」をSICKの2D・3D-LiDARセンサに統合することにより、公共の場や事定義した場所で推奨される人と人との最小距離を保つことが可能になる。同センサソリューションでは個人情報が特定されないため、利用企業にとっては衛生面だけでなくデータ保護法規の面でも安全性が確保される。これは公共施設、観光施設、飲食店、販売店や様々な業種の運営の役に立つ簡単なソリューションであり、フロア面積に対する最大人数と人と人との最小距離を簡単に把握し続けることができる。

同社のクリストフ・ミュラー上級副社長は、今回のポートフォリオに関して、「今日、お客様からは、センサ技術、ロジック、アクチュエータなどに関連する従来の自動化技術とはあまり関係のない問題をもちかけられるようになりました。むしろ、効率の大幅な向上を目指してビジネスプロセスを設計することが重要になってきているのです。この効率化を図るため、センサは問題解決に役立つデータを収集し、それをデータレベルに移行させます」と説明した。

プラットフォーム「SICK IntegrationSpace」では、センサとそのデータの仮想表現へのアクセスが可能で、センサの世界で新次元を切り拓いており、その次元ではセンサデータがインテリジェントなデジタルサービスに統合される。「SICK AssetHub」と「SICK LiveConnect」を土台にして継続的に改良されたデジタルサービスを活用することで、カスタマイズ型の利用方法が可能になる。センサデータに関して得られた透明性は、ビジネスプロセスで新しい最適化の可能性を得る際の基盤となる。つまり、プラットフォーム「SICK IntegrationSpace」があれば、ユーザーはデジタルサービスの管理と購入を簡単に自分で行うことができる、としている。

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