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物流連が手荷役調査結果を公表、不合理な実態が明らかに

2016/04/20

(一社)日本物流団体連合会は4月19日、幹線輸送における手荷役の実態についてアンケート調査した結果(中間報告)を発表した。

調査は、物流連加盟79社、(公社)全日本トラック協会加盟75社、(公社)全国通運連盟加盟20社の計174社を対象に、昨年11月、12月に実施された。

それによると、パレット化されているものをバラして手荷役して積込んで輸送し、到着時に、手荷役によりパレットに積み直している状況が多いため、物理的にはパレット化可能であるにも関わらず、輸送に使用できていないことが浮き彫りとなった。

これらに加えて、手荷役が、他に待機するすべての輸送車両の順番待ち時間を増加させ、現在問題視されている「運転手の拘束時間増加」の大きな要因となっているという委員からの報告もあった。

手荷役の理由については、「荷主が積載量を多くしたいから(パレット輸送を行うと積載効率が下がるため)」 が最も多く、次いで「荷主がパレット等を流出させたくないから。又は、パレット等の利用を認めていないから」 「パレットはあくまで保管用であり、輸送用には使用されないから」となっている。中間報告は、荷主のパレット運用管理面での理由が多いと指摘している。

手荷役にかかる作業費用の把握については「できている」「ほぼできている」でほぼ半分を占めるものの、費用の収受では、約60%ができていないことが明らかになった。

手荷役の改善に必要なことを聞いたところ、回答が多い順に「パレット化推進」「発着荷主の協力」「元請けの協力」「付帯作業の料金化」と並んだ。この点について中間報告は、両端の荷主の協力がないと手荷役改善=パレット化の推進は難しいと分析している。

手荷役改善に向けた荷主と連携の可能性について、荷主にアピールすべきことを聞いた項目では、「手荷役サービス継続の危惧」が最も回答が多かった。

中間報告は最後に「提言に代えて(問題提起)」として、 物流事業者側に「運転手自身が無償で手荷役作業を担うこと自体が難しくなってきている」という実態を、物流業界として世間に発信していくことを求めた。そのため、手荷役作業に関わる費用と労働実態を把握し、手荷役作業に関わる費用を、輸送料金とは別建てで請求できるような仕組み(商慣習)を確立することを検討していく必要があるとした。

また、荷主と対話する必要性を指摘し、手荷役作業削減の一助としての「貨物のユニットロード化」について、荷主側の理解を得るための活動を継続していくことが必要とした。

●手荷役が行われる理由

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