[最新ニュース] 経営/政策

日立物流とSGホールディングスが資本業務提携を発表

2016/03/30

(株)日立物流とSGホールディングス(株)、佐川急便(株)は3月30日、資本業務提携の締結を発表した。これに伴いSGホールディングスが、日立物流に佐川急便の発行株式の20%を譲渡し、日立物流の親会社(株)日立製作所がSGホールディングスに日立物流の発行株式の29%を譲渡する。

日立物流は日立製作所の物流子会社として創業し、早期から物流情報システム構築に取り組み、3PLを充実させてグループ外顧客の取り扱いも拡大させてきた。IT・LT(Logistics Technology)ソリューション」を駆使して「顧客と新たな価値を協創しともに世界に挑む、Global Supply Chain Solutions Provider」をめざしグローバル市場に挑戦している。

一方、SGホールディングスグループは、佐川急便を中核にデリバリー事業、 ロジスティクス事業および不動産事業などの事業分野でビジネスを展開。グループ各社から横断的に構成された先進的ロジスティクス・ プロジェクトチーム「GOAL(Go Advanced Logistics)」の展開など、多様化する顧客ニーズ対応に取り組んでいる。

現在の物流業界は特に国内貨物需要の伸び悩みや人手不足に起因するコスト増など、厳しい状況が続き、昨今では一層進展したグローバル化に伴うシームレスな国内・海外一貫物流や急増する通信販売における時間指定配送といったようなニーズの高度化、多様化といった課外も抱えている。両社はこうした状況の中、強固な事業基盤を構築し、国内屈指の競争力を有することが必要との共通認識に基づいて協議を進めてきた結果、世界で戦う日本企業の競争力向上に寄与するべく、両社の強みの融合をめざして資本業務提携を行うこととした。

両社は、3PLとデリバリーがシームレスにつながる総合物流を提供することで「世界に挑戦する物流企業」として、企業価値の最大化を図る。互いに補完するロジスティクス事業とデリバリー事業の融合をテーマに、双方の3PL事業における強み、豊富なノウハウや顧客基盤、佐川急便の輸配送能力、日立物流のロジスティクス・テクノロジーとを最大限に活用する考えだ。

具体的には、(1)相互の顧客基盤を活用した営業連携による提案力の強化および事業拡大、(2)車両集中管理やセンターの共同活用による稼働率向上と効率性の追求 (3)両社の IT・LT 技術を駆使した最先端物流への取り組み、(4)アジアを中心としたグローバル事業の強化(フォワーディング事業やクロスボーダー輸送の連携など)、(5)リソース(不動産事業・システム事業など)の相互活用と連携による周辺事業の強化などが予定されている。具体的な方針や内容については、今後継続して両社間で協議する。

また、業務提携に関する協議の円滑化と早期のシナジー創出を推進するためのプロジェクトチームを設置すること、さらには資本業務提携の成果を踏まえ両社の経営統合の可能性について協議・検討することも併せて発表した。

●記者会見会場で結束の握手をする佐川急便の荒木社長、SGホールディングスの町田社長、日立物流の中谷社長、日立製作所の齊藤副社長(左から)

|↑一覧に戻る|