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ヤマトHD、保冷宅配便の国際規格化プロジェクトを開始

2016/03/25

BSI(*1)グループジャパン(株)は3月25日、ヤマトホールディングス(株)(ヤマトHD)からの依頼に基づき、保冷宅配便サービスに関するPAS規格策定に係る契約を締結し、取り組みを開始したと発表した。

同PAS規格(PAS1018:2017*2)では、アジアをはじめとする世界各国で保冷宅配便サービスを安全・安心に利用できる環境を整え、利便性向上や地域経済の活性化、保冷宅配便サービスに関わる市場拡大に貢献すべく、世界初の国際規格の策定を目指す。

ヤマトHDは、1988年に世界初の保冷宅配便サービス「クール宅急便」を開発し、現在アジア5か国・地域で日本と同水準のサービスを提供している。ところがアジアをはじめとする世界各国での経済成長や通信販売の拡大により、保冷宅配便サービスの需要は急速に高まっている一方、必ずしも十分な品質のサービスが提供されていない現状がある。

そこでヤマトHDは、日本の宅配便業界が長年培ってきたノウハウや運用基準に基づいた規格を策定し、保冷宅配便サービスの利便性と業界全体の信頼性を向上させ、顧客に安心・安全な保冷宅配便サービスを提供することを目的とし、PAS規格を策定することで生活者の安全性と利便性の向上や地域経済の活性化、保冷宅配便サービスに関わる市場拡大への貢献を図る。

国土交通省の社会資本整備審議会・交通政策審議会が2015年12年25月にまとめた答申「今後の物流政策の基本的な方向性等について」でも、日本の優れた物流システムをアジアに向け規格化・国際標準化することを求めており、関連する業界とも連携して今回のPAS規格策定を進める考えだ。

同PAS規格は2017年早期の完成を目指し、発行後は各国で保冷宅配便サービス事業者が認証されることで、安心して保冷宅配便サービスを利用できる社会の実現を目指す。

※1 BSI=British Standards Institutionの略で、英国規格協会
※2 PAS=Publicly Available Specificationの略で公開仕様書の意

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