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物流連・モーダルシフト優良事業者賞、ヤマト運輸が大賞に

2015/10/23

(一社)日本物流団体連合会は10月22日、「モーダルシフト取り組み優良事業者公表・表彰制度」の受賞者を発表した。モーダルシフト最優良事業者賞(大賞)は、ヤマト運輸(株)が受賞した。

物流連は平成15年より、モーダルシフトに積極的に取り組む物流事業者を会報などで公表してきた。昨年度から優良事業者の表彰を中心とする制度へ移行し、表彰制度としては第2回目の発表となる。本制度の主旨は、物流業界における人手不足が深刻化する中で、環境負荷低減のみならず、労働生産性向上の観点からも大量輸送機関の重要性が増している状況下、他の模範となる物流事業者を表彰し、その取り組みを広く社会に紹介し、モーダルシフトをさらに促進しようとするもの。

今回は7社11件の応募があり、「モーダルシフト優良事業者選定委員会(委員長:東京女子大学教授・竹内健蔵氏)」が審議の上選定した。なお、表彰式は11月17日(火)に霞山会館にて開催される。

大賞となったヤマト運輸の功績は「九州発関東行モーダルシフトの拡大」。従来から行っていた九州発関東行宅配便輸送について、 鉄道利用の大幅な拡大を行った。これまで、九州発関東行宅配便の輸送についてはトラックが主体であり、鉄道コンテナ輸送はJR貨物駅に近い福岡ベース(福岡県西部エリア)のみでの実施だった。そこで、鉄道利用を実施するベースを拡大し、輸送量増大に取り組むこととした。

新たに実施するベース店は、荷物を集約する福岡ベースとの輸送距離の観点 から佐ベース(佐賀県全域)と北九州ベース(福岡県の東部エリアを担当)を選定した。さらに、これまで関東の1都7県ごとに行っていた仕分区分を関東行きとしてまとめることで、作業にかかる時間を短縮した。関東行き としてまとめた荷物の仕分け作業は、羽田空港に隣接する国内最大級の24時間稼動の物流施設「羽田クロノゲート」に移管した。 

佐賀ベース・北九州ベースの荷物を福岡ベースへ集約し、鉄道利用が拡大したことで、輸送における環境負荷の低減、輸送手段の効率化及びコスト削減、人手不足の解消といった、物流業界を取り巻く課題の解決が期待される先進的な取り組みを実現した。

大賞以外の優良事業者賞の受賞企業は次の通り。

(1)実行部門(表彰2社)
被表彰者:日本通運株式会社
功績事項:幹線区間の輸送において、鉄道・海運の利用比率が40%超えを実現

被表彰者:日本石油輸送株式会社
功績事項:幹線区間の輸送において、鉄道・海運の利用比率が40%超えを実現

(2)改善部門(表彰1社)
被表彰者:山九株式会社
功績事項:幹線区間の輸送において、鉄道・海運の利用比率が40%を超えるとともに、前年度を上回る実績を達成

(3)継続部門(表彰1社)
被表彰者:株式会社日陸
功績事項:幹線区間の輸送において、鉄道・海運の利用比率が3年連続で40%超えを実現

(4)新規開拓部門(表彰1社)
被表彰者:札幌通運株式会社
功績事項:新規モーダルシフト案件の実現とその継続

(5)有効活用部門(表彰2社)
被表彰者:センコー株式会社
功績事項:モーダルシフト実施による輸送の大幅な効率化の実現

被表彰者:日本通運株式会社
功績事項:モーダルシフト実施による輸送の大幅な効率化の実現

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