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物流連が海外物流戦略WT開催、カンボジアなどテーマに討議

2015/10/09

(一社)日本物流団体連合会(物流連)は10月7日、本年度第4回目の海外物流戦略ワーキングチーム(WT)の会議を、千代田区霞が関の尚友会館ビルで開催した。

同ワーキングチームは、国際業務委員会の下に設けられ、海外に展開する物流事業者が直面する課題で、個々の企業によっては解決が難しい課題に、 官民連携して取り組むことを目的としている。メンバーには物流事業のアジア進出の実務に携わる会員企業および国土交通省関係者により構成されており、3年前の発足当初より定期的に会議を重ね、これまでに20回の会議を行っている。21回目となる今回の会議には、国交省の幹部や会員企業から30名が参加した。

会議では、まず国交省国際物流課勝山課長が、今秋以降に予定している政府間対話について平成28年度以降の見込みも含め説明した。 その後、(株)海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN)の伊藤シニアダイレクターが同機構の取り組み状況を説明し、出資相談件数が1年で計69件あり、そのうち36件がASEANでの案件で全体の約半数を占めていると報告。日系企業のASEAN 地域への関心の高さをうかがわせた。

次に、政府が行う物流政策対話対象国の一つであるカンボジアについて、カンボジア総合研究所の鈴木CEO・チーフエコノミストが、「カンボジアの概況」と題し、最近の政治・経済状況や課題を説明した。カンボジアは、インフラや通関手続などで課題は残るものの、低賃金と南部経済回廊を活用して外資の誘致に成功しており、高成長が続いていると分析。また、アジア開発銀行の支援を受けて、通関手続をわかりやすく解説した「通関ハンドブック」(英文)を作成中であることを紹介した。

その後、事前にメンバー企業に対しアンケートを実施した「カンボジアにおける事業活動の現状と課題」について、アンケート結果をまとめた一覧をもとに各メンバー企業より発表が行われ、通関に係る 費用が高額であること、手続きが煩雑で時間的に数週間かかるケースがあること、電気料金が周辺国と比較しても高額であることなど、制度面やインフラ面を中心とした課題の抽出と情報共有が図った。

最後に事務局が、11月に実施を予定するカンボジア・ラオスの海外物流実態調査計画について概要説明が行い、調査メンバーを紹介した。次回は海外調査の結果を報告することとし、12月に開催を予定している。

会議の様子

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