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ヤマトHD、東京五輪の荷物輸送パートナー契約を発表

2015/08/10

ヤマトホールディングス(株)(ヤマトHD)は8月10日、2020年東京五輪のオフィシャルパートナー契約の締結を発表した。荷物輸送サービス分野を対象とした契約で、同社は今後、五輪の成功に向けて物流面から大会の準備・運営を支援していく。

同日、東京・帝国ホテルで開かれた調印式に臨んだ代表取締役社長・山内雅喜氏は、「東京大会の成功に貢献できることを光栄に思う。円滑な運営と史上最高の大会の実現に向け最高品質の物流サービスを提供したい」と抱負を述べた。

また、五輪開催に伴い膨大な関連物資が東京に集まり、大会期間中に商業貨物も膨大な量が集中する中で、通常の企業活動や周辺住民の生活維持と両立させる必要性を指摘し、「進化した物流ネットワークサービスを提供し、万全の態勢で最高品質の輸送サービスを提供する」と述べた。さらに開催の前年・2019年に同社が創業100周年を迎えることに触れ、「東京大会を当社と日本の次に来る100年に向けてのイノベーションの創造の機会と捉え、全社一丸となってサービスを提供する」と表明した。

続いて挨拶した(公財)東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長の森喜朗氏は、東京以外の地域でも競技が開催され、物流の範囲が広がることを説明し、「大会運営に必要な物品を時間まで必要な場所にしっかり運ぶのには想像を絶する規模の物流計画が必要になる。ヤマトHDは年間16億個もの宅急便を扱っているので、大会期間中の物流は大丈夫だろうと期待している」と語った。

今回のオフィシャルパートナー契約の具体的内容については、ヤマトHD上席執行役員・丹澤秀夫氏が説明に立った。丹澤氏はポイントが4つあるとし、(1)「羽田クロノゲート」をはじめとする物流拠点を活用した大量の備品のきめ細かく正確な輸送、(2)複数事業者の配送をヤマトの拠点に集約してエリア内の交通量を減らす「ビルタウンマネジメント」のノウハウ活用、(3)観光での「手ぶらサービス」拠点を日本全国に増やし、日本ならではのおもてなしの実現する、(4)都市型の貨客混載モデル導入やロボットスーツなど新しい技術活用でサスティナブルな都市型物流ネットワークを構築する、と説明した。

さらに同社が進める「バリュー・ネットワーキング構想」の下、2017年には関東・中部・関西地域が当日配達可能エリアになることに言及し、「このスピード・ネットワークと、4,000店の営業所、4万台の車両、6万人のセールスドライバー、グループ全体で20万人の社員が有機的につながることで、物流に新たな価値を生み出し、東京五輪の成功と日本経済の活性に貢献したい」と述べた。

調印した契約書を共に手にする山内雅喜社長(左)と森喜朗会長

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