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公取委、荷主と物流業者間の不公正な取引を調査

2015/03/13

公正取引委員会は3月11日、荷主と物流事業者の取引について不公正な取引の有無を調査した結果をまとめた。

同調査は、物流事業者が燃料価格が上昇傾向にあった際も荷主から運賃を一方的に据え置かれているるといわれる状況を、実際に調査して把握するのが目的。調査期間は2013年年8月から2014年7月まで。荷主1万人、物流事業者2万5,000人を対象に書面で調査した。物品の運送・保管にかかる継続的な取引を調査対象とし、単発(スポット)取引は対象外。

回答した物流事業者4,620人のうち荷主都合による代金の支払遅延などの不利益を1つ以上受けたと回答した物流事業者は306人(6.6%)だった。具体的には、物流事業者に責任がないのに「代金の減額」を受けたと回答した物流事業者が最も多く188人(4.1%)を占めた。

不利益を受けた物流事業者306人(延べ386の事例)について、その理由を聞くと「今後の取引数量、取引高などに影響があると自社が判断したため」としたのが171事例(44.3%)、「荷主から今後の取引数量,取引高などへの影響を示唆されたため」とするものが84事例(21.8%)あった。

また、調査対象期間に燃料価格が上昇傾向にあったことから、荷主に代金の引き上げを要請したことがあるかを聞いたところ、回答のあった物流事業者3,050人のうち,約半数が代金の引き上げを要請していた(50.4%)。このうち引き上げ要請に応じくれたと回答したのは73.0%で、残り27.0%は応じてくれなかったという結果になった。

荷主と物流事業者との取引については、2004年4月以降、優越的地位の濫用規制の一つとして独占禁止法に基づき指定した「特定荷主が物品の運送又は保管を委託する場合の特定の不公正な取引方法」(物流特殊指定)があり、公正な取引が求められている。

今回の調査結果について公取委は、「荷主による優越的地位の濫用規制上問題となり得る行為が行われていることが明らかとなった」と指摘。さらに下請代金支払遅延等防止法上も問題となり得るとした。さらに今後も実態把握に努め、法律に違反する行為には厳正に対処していくとした。

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