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矢野研、CtoC市場の物販は1兆円台も視野に

2018/06/04

(株)矢野経済研究所は6月4日、2016~2017年度における国内CtoC(個人間取引)市場の予測結果を発表した。

2016年度のCtoC市場は若年層や主婦層を中心に、手軽に商品が売買できるフリマアプリの認知の拡がりとともに利用が引き続き拡大。メルカリ等の大手事業者が物販分野における市場拡大を牽引した。また、旅行・宿泊(民泊)、スペースシェア等、ホテルや時間貸し駐車場のような近年、物件・スペースが不足している分野でもCtoCビジネス事業者の新規参入は増えた。

これにより、2016年度の物販分野全体のCtoC市場規模は流通総額ベースで6,568億円と推計。サービス分野のCtoC市場規模を分野別に見ると、成約総額ベースで旅行・宿泊は429億円、スペースシェア(駐車場や農地、空きスペース等のレンタル)は45億円、カーシェアリングは11億円、家事代行・ベビーシッターは14億円、教育・生涯学習は24億円と推計した。

一方、2017年度の物販分野全体のCtoC市場規模は流通総額ベースで9,950億円と予測。サービス分野のCtoC市場規模は、成約総額ベースで旅行・宿泊は840億円、スペースシェアは70億円、カーシェアリングは15億円、家事代行・ベビーシッターは20億円、教育・生涯学習は30億円と予測している。

近年のCtoC市場の特徴は、物販分野で中古品買取・販売事業者等の参入が目立つ点が挙げられる。その背景として、フリマアプリの急成長により、同事業者側が中古品の出品や購入先を個人間取引に奪われることで本業に伸び悩みが生じていることに脅威を感じている点が挙げられる。

?中古車やブランド品等を取り扱う中古品買取・販売事業者は、個人間取引における商品ブランドの真贋鑑定や商品の発送・引渡し代行のような付加サービスの提供、また自社(事業者)サイトでもCtoCサービスで登録された商品の購入を受け付ける等、多様なサービスを提供している。こうした事業者は物流センターなどの自社設備や販路といった強みを活かし、既存のCtoCサービスとの差別化を図っている。

●CtoC(個人間取引)物販分野市場規模[流通総額ベース](上)、CtoC(個人間取引)サービス分野市場規模[成約総額ベース](下) 

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