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アクセンチュア等、海運でブロックチェーン実証に成功

2018/04/24


アクセンチュアは4月24日、同社とベルギーのビール大手アンハイザー・ブッシュ・インベブ(AB InBev)やシンガポールの海運大手APL、スイスの物流大手キューネ・アンド・ナーゲル(Kuehne + Nagel)、およびヨーロッパの税関組織で構成されるコンソーシアムが3月に、貿易書類のペーパーレス化および年間数億ドルのコスト削減を図ることができるブロックチェーンソリューションの実証に成功したことを明らかにした。

同コンソーシアムでは、貿易関連書類を紙や電子媒体でやり取りする代わりに、ブロックチェーン技術を活用することにより、情報の種類に応じた管理ルールに沿ってデータを共有し分散管理できるソリューションの実証実験を実施。同実験では、現在の書類作成プロセスを見直すことで、ブロックチェーン技術が持つ高い信頼性とセキュリティが、情報所有のあり方、説明責任、リスクにどのような変化をもたらすかについても検証した。

自動車、小売、消費財などの国際貨物輸送では、商品の輸出入に必要な書類が通常20種類を超え、その多くが紙でやり取りされており、このうち最大70%のデータは重複したものとされる。ブロックチェーンソリューションを使うことにより、書類手続き全般のスピードアップを図ることが可能。入力が必要なデータを最大で80%削減でき、輸送プロセス全体で簡単にデータを修正できる。さらに貨物チェック作業の合理化や、通関関連法令に違反した場合に課される罰則の負担とリスクの軽減を図ることもできる。

同コンソーシアムは国際輸送に関わる代表的な企業や組織で構成され、規制要件がそれぞれ異なる12か所への輸送案件を対象に、同ソリューションの実証を行った結果、ブロックチェーンによって運用コストの削減とサプライチェーンの可視性の向上を実現できることが判明した。

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