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長良川鉄道とヤマト運輸が鉄道を利用した「客貨混載」輸送を開始

2018/02/21

長良川鉄道(株)とヤマト運輸(株)は2月21日、同日より岐阜県内の区間で、全国初の鉄道にヤマト運輸の社員が同乗しない状態で乗客と宅急便を混載する「客貨混載」を開始すると発表した。

具体的には、ヤマト運輸岐阜ベース(関市)から郡上支店(郡上市)間における、宅急便の幹線輸送の一部を長良川鉄道の列車で輸送する。昨年11月の実証実験では、ヤマト運輸の社員が同乗していたが、今回の本格運用では無人での運用を開始する。

●概要
・利用区間・列車:関駅13:16発→美並苅安13:55着(片道のみ)
・運用フロー
(1)ヤマト運輸岐阜ベースから関駅まで荷物を輸送する。
(2)関駅で列車に、駅係員が宅急便を積載する。
(3)列車が関駅を発車(13時16分)し、美並苅安駅まで客貨混載で輸送する。
(4)列車が美並苅安駅に到着(13時55分)し、ヤマト運輸SDに荷物を引渡しする。
(5)ヤマト運輸SDが集配車両に荷物を積載し、郡上市美並町の届け先へ配達する。

●メリット
地域住民
地域の鉄道路線網が安定的に維持されるので、生活基盤の維持・向上につながるほか、ヤマト運輸のSDが集配地域に滞在できる時間が増えるため、当日発送の集荷締め切り時間が延長されるなど、宅急便のサービスをより便利に利用できるようになる。

長良川鉄道
車両内の空きスペースで宅急便を輸送することで、新たな収入源を確保できる。

ヤマト運輸
移動時間が約2時間削減でき、集配効率が向上し、休憩時間が取りやすくなるなど、働く環境の改善が見込まれている。また、SDの集配地域での滞在時間が増えるため、地域の顧客の要望に対して柔軟に応えることができるようになる。さらに、1日あたりのトラックの走行距離を約24km削減でき、燃料費やCO2排出量の削減にもつながる。

客貨混載輸送の実施区間(上)、運用フロー図(従来との比較)(中)、2月21日に長良川鉄道関駅(岐阜県関市)で行われた出発式の様子。左から関市の桜田企画部長、美濃市の武藤市長、中部運輸局の石澤局長、長良川鉄道の日置社長、ヤマト運輸中部支社の西出支社長、岐阜県の朝倉公共交通課長(下)

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