日本通運(株)は7月24日、中国現地法人の日通国際物流（中国）有限公司が6月から重慶から各地を鉄道輸送と海上輸送で結ぶ複合一貫輸送サービスに、今年2月より開始した欽州経由のルートに加え、寧波を経由した新ルートの販売を開始したと発表した。

新ルートは重慶から寧波までの鉄道輸送と、寧波港から日本や米州・欧州の主要港までの海上輸送を組み合わせたもの。寧波港は世界4位のコンテナ取扱港で、航路数や入港船舶数が多いため、多様な航路選択が可能となる。また、寧波は日本の主要港までの輸送日数が短いため、欽州経由に比べて平均して5日程度のリードタイムが短縮し、重慶から東京までのリードタイムは約11日となる。

●サービス開発の背景

重慶SEA＆RAILサービスは2月から販売を開始し、経由地である欽州がベトナムに近いため、東南アジア向けに多く利用されている。通常、重慶からの海上輸送は長江を利用し内航船で上海まで輸送しており、長江の冬季渇水期や春節時期の三峡ダムの修繕工事による内航船スケジュールの影響は軽減されているが、現在でも長江を利用した内航船での輸送日数は重慶－上海間で15日前後を要している。霧等の気象条件による影響を受け不安定になりやすい条件下で、特に日本向けに安定した輸送スケジュールを希望する顧客の要望に応えるため、新ルートが開発された。