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東京海上日動、インド北西部の日本企業専用工業団地と最寄港を物流調査

2018/01/10

東京海上日動火災保険(株)はこのほど、インド北西部・グジャラート州にある日本企業専用工業団地と最寄港のピパパヴ港について物流調査を実施した結果をまとめた。

同工業団地は現在、1か所(マンダルフェーズⅠ)が稼働していて、2か所が開発中(コーラジ(サナンドフェーズⅢ・マンダルフェーズⅡ)の状況。アーメダバード市街地を挟んで、各工業団地から最寄港のピパパヴ港までを陸路で輸送する物流となる。工業団地とピパパヴ港はインド北西部の生産・物流拠点として発展する可能性を秘めている。今回の調査は視察・データ計測の両面から、同地域が抱えるリスク・課題をあぶり出す目的で行われた。

調査では、各工業団地の現状を写真・動画等で情報収集するとともに、ピパパヴ港までの主要物流路を実走し、衝撃・振動を計測した。現在のリスクを分析し、さらに本来なら部外者の立ち入りが厳しく制限されるピパパヴ港内部のオペレーション情報を収集した。

各工業団地からピパパヴ港までは概ね10~12時間を要する。この間の道路事情は概ね良好だが、車の速度を抑制するバンプ(減速帯)、牛、点在する小集落の前後は路面状況が劣悪だった。さらに交通マナーの悪さなど特有のリスクを認識された。一方、ピパパヴ港は設備が十分に整っており、オペレーションスキルも数年前に比べて向上し、ハブ港としての機能を持つ可能性が垣間見えた。同社では今後、これらの情報を元にインド北西部における物流の課題と可能性を探っていく。

同社は年3回の頻度で海外物流調査を実施してきた。2017年は7月に中国・広州、11月に今回のインドで調査を実施したほか、2018年1月下旬から2月にかけてモロッコとアルジェリアの物流調査を実施する予定。インド、モロッコ、アルジェリアの調査結果については、3月以降にセミナーを開催して不特定多数の顧客層に情報を展開する考えだ。

(上)アーメダバードからピパパヴ港に向かう途中の小集落
(中)牛が路上にいることがごくインドの一般的な風景になっている
(下)インドでは依然として労働集約的なオペレーションが一般的

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