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日立、人工知能の応用で物流業務の効率8%向上を実証

2015/09/07

(株)日立製作所は9月4日、企業が使う業務システムに日々蓄積されるビッグデータから、需要変動や業務現場の改善活動を理解し、適切な業務指示を行う人工知能を開発し、物流業務での効率性を8%向上させることを実証したと発表した。

従来の業務システムは、予め設計されたプログラムに従って動作しており、現場の作業者の工夫や改善活動を業務システムに反映するには、システムエンジニアが設計し直す必要があるなど、システムを頻繁に更新することが困難だった。同様に需要変動やそれに対応した現場状況の変化に対し、効率的な業務指示を素早く行うことが難しいという課題もあった。

今回開発した人工知能では、作業者の工夫や改善が加わることによって生まれた結果を自ら取り込んで解析することで、より高い効率を生み出す結果を選び出し、次の業務指示に反映する。過去の業務内容や業務実績などのビッグデータの中から、作業内容や作業量、天候など当日の業務状況に近いデータを自ら選択・解析し、短期的な天候不順や突発的な需要変動に対しても適切な業務指示を出すこともできる。

さらに、データの統計的な分布を解析し、事前に数量や時間、商品コードなどのデータ形式を自動判別し、新たに追加されたデータを人の手を介さずに素早く取り込むことを可能にした。これにより、日々の作業者の工夫や需要変動を自動的にシステムに反映することが可能になり、タイムリーに業務指示へ反映させることができる。

同社では人工知能の効果を確認するため、物流倉庫管理システムに組み込み、物流倉庫における集品作業の効率性を測る現場実証を行った。その結果、人工知能を管理システムに組み込まない場合と比較して、8%の作業時間短縮を確認した。同社は今後、物流に加えて金融、交通、製造業、ヘルスケア、公共、流通分野などに人工知能を活用していく考えだ。

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